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盲目になりたい
2008.12.15 Monday 08:36
齊藤ゾンビです。



先日、「ブラインドネス」という映画を観ました。



この映画は、とてもストーリーが斬新で興味深い作品でした。

簡単にストーリーを書きますと、


「ある日、一人の男性が突如目が見えなくなる(盲目)という病に侵されてしまいます。



病院に行っても原因が一切分からず、新型の病だと診断されます。

そして、その数時間後に他の人にも同じ症状が発生。

そしてまた一人、また一人、また一人と原因不明の盲目者が続出していきます。

政府は、謎の病が伝染型だと恐れ、患者達を監獄のような劣悪な環境の病院に監禁していきます。



そして、どんどん感染者は、増え続けその都市全体に広がっていき、盲目者の都市へとなっていく。

全ての人間が盲目となった世界で、人間達は、どのように生きていくのか?

盲目になることで人間の心はどのように変化していくのか?

そして、最後に待っていたものとは!!!」


という話です。

この映画は、ホラーっぽいようでホラーでもなく。

パニック映画のようでパニック映画でもない。

どんなジャンルに入るのか分からないとっても深い作品でした。

なので、ホラーやパニック映画だと思って観ると拍子抜けしてしまうかもしれないので、観てみようと思う方は、そういう風に期待して観ない方が良いと感じます。


しかし、この作品は、前述したようにすっごく深い作品で、観終わった後にたくさんのことを感じました。


「突如、人が盲目になってしまったらどうなってしまうのか?」


この映画の興味深いところは、そこにあります。



何も見えなくなる精神的恐怖。

そして、私も感染するんじゃないかという恐怖。

どんどん広がっていく感染者の数に世の中は、恐怖の世界へと陥っていきます。

盲目者しか居ないその新世界では、今までの社会の秩序全てが崩れ去っていき、無法地帯へと変貌していきます。

無法地帯となったその世界、又、恐怖の極限の中どんどん各々の人間の本性というものがあらわになっていきます。

死にたくないという極限の恐怖心が「生きる」ことに必死にさせ、本性が大きく露呈されていく。

正に、野生の世界だね。

人間も野生に生きている動物となんだ変わらないんだと深く感じました。



この映画を観て、そして、最近テレビ番組で見た盲目学校の子供達の姿を見て凄く感じたことがありました。

目が見えないことは、全てが見えなくなった訳じゃないんだなと。

人は、目が見えなくなると他の感覚が敏感になってきます。

聴覚、触覚、嗅覚 味覚。

他の感覚を研ぎ澄ますことで視覚の損失分を補っていきます。

しかし、敏感になっていくのは、聴覚、触覚、嗅覚、味覚だけではありません。

あと、もう一つ心の目も大きく敏感になっていきます。


目で見えない分、そのものの全てを視覚以外の感覚で必死に見ようとします。

その力は、視覚以上のものです。


伝説の盲目ソウルシンガーの故レイ=チャールズさんのエピソードでこんなものがあります。



幼い頃から目が見えなかった彼は、ある日、友人と家で話をしていました。

すると、突如チャールズが

「窓の外に蜂が飛んでいる。」

と言ってきました。

閉まっている窓の外を見ると蜂が1匹飛んでいたのを見てビックリしたそうです。

チャールズさんは、他の感覚で(この場合は聴覚で)周りを全て見ることが出来ていたそうです。



又、テレビ番組では、盲目学校に通う子供達が理科の授業で「ヘチマ」を勉強していた映像を見ました。

ヘチマを勉強する前にヘチマがどういうものかを知る為に先生が本物のヘチマを生徒達に渡していました。

生徒のみんなは、臭いを嗅いだり、手にとって質感や温度を感じたり、指で叩いてその音を聞いて材質を感じたり、先生がヘチマを切って中身を手探りで感じさせたりして、子供達は、ヘチマの全て、本当に全てを感じ取っていました。



それは、見ただけでは感じ取れないもっといろんなことを。


それは、そのものの本質であったり「心」であったり。


しかし、目が見える人は、視覚以外のものが見えない、否、見ようとしない人がほとんどではないかな。

人は、目で見たものを見たまんまで全てを決め付けてしまい、そのものの本質を見ずに終わってしまうと思います。

人は、目で見たものを無条件に信じてしまう。


人の視覚こそ全てを見えなくさせているとも感じます。




あと、盲目学校の子供達は、大縄跳びも飛べます。

縄が地面を叩く音(リズム)を聞いて縄の回っているスピードを聴覚で感じ取り、自ら回っている大縄の中に入り飛ぶんです。




他にも、先生達が狂言(喜劇)を披露して先生がすっころぶ演技で倒れた時の音と地面から伝わる振動で転んだ様子を感じ取り、まるで狂言を実際に観てるかのような反応をします。




友人の顔を知る(見る)為に手で顔を感じ取ります。




「大縄跳び」も「狂言」も「友人の顔」も全て他の感覚を研ぎ澄ませて感じ取り、心の目でしっかりと見ているんだなと凄く感じました。

子供達は、しっかりと見えてるんですね。



そして、一番深く感じたことは、とても相手の心に敏感だなとも番組を見ていて感じました。

何気ない話をする先生の声を聞いて生徒達は、

「先生、悲しんでるの?」

と先生の感情を瞬時に読み取ります。

それは、きっと視覚以外の残りの四つの感覚で必死に相手を見ようとしているから、ちょっとした声のトーンや様々な変化に敏感に反応出来るんだと感じました。

盲目学校の生徒達の姿を見て、目が見えない人は、目が見える人以上にいろんなものが見えているんだなと凄く感じます。

そして、子供達は、目が見えなくても凄く凄く楽しそうで幸せな毎日を過ごしていました。

それは、視覚を失った代わりに「心の視覚」があるからなんだろうね。



私は、いつも視覚だけを頼りにして心が見えていないと感じます。

視覚以外のものをもっとよーく見えるようになりたい。

盲目の人に失礼かもしれませんが、盲目になりたいと感じる時があります。

盲目は、人を大きく変える。

世界を変える。

心を変える。



もしも、今、自分が生きている世界が嫌になったら視覚で見る世界ではなく、心の目で見る世界を見るように努めると違う世界に気が付けてくるかもしれない。

視覚で見る世界と心の視覚で見る世界は、きっと大きく違うはずだと思う。

でも、視覚がどうしても心の視覚の邪魔をして難しいんだよなぁ。



話は戻りますが、映画「ブラインドネス」はそのような人間の変化も巧みに描かれています。

良かったら見てみて下さい。
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Comment
2008/12/20 11:55 AM posted by: 齊藤ゾンビ
ひらたくさん、覚えてますよぉー!!!
ブログに興味を持っていただいてとても超嬉しく思ってます!!!
ありがとうございます。

そして、コメントもありがとうございます。
いつも読んでいただいて嬉しいです。

そうなんですよねー。
ふだん「当たり前」だと思っていることが、いかに「当たり前」なのかっていうことを思うことが凄く大切なんですよね。
でも、強い刺激がなければ、その気持ちもすぐに薄れて・忘れてきてしまうものだとも感じます。

私もいろんなものを見て・聞いて感動して心に感じることがたくさんありますが、月日が経つと忘れてしまっている自分に気付きます。
しかし、ずっと忘れていないこともあります。
それは、自分が自ら体験して感じたことです。
見たり・聞いたりなども大切ですが、やっぱり究極的なものは、体験することだと感じます。
自分の五感で感じたことは、一生消えないし、一生心に刻まれるものだと思います。
だから、五感で感じるお化け屋敷というのは、究極的な媒体性に富んだエンターテイメントだと感じます。
この可能性をもっと引き出す為にもっといろんなことを勉強して、今までに無いお化け屋敷を創造するのが目標です。
頑張りますよぉ。

ひらたくさんがおっしゃるように、目を開いていて真っ暗で見えないのと、目を閉じて見えない状態で真っ暗の中を歩くのとだと、感じ取るものは、本当違いますよね。
自分から進んで暗闇に入り何も見えなくなった人は、心に多少の余裕があるかと感じます。
暗闇を受け入れているって感じですかね。
だから、感じようとすれば、いろんなことを感じ取ることが出来ると思います。
しかし、暗闇を受け入れず、無理に闇に放たれた人は、大きな恐怖と不安と怒りを覚えるかもしれません。
だから、何かを感じる取る余裕も無いし、ずっと怯え続けるかもしれない。
でも、怯えることは、怯えず余裕のある人よりが、圧倒的にいろんなことを感じ取ることが出来る人だと私は思います。
それを書くと長くなるので、次回ブログに書こうかと思いますので、是非読んでみて下さい。

人は、怯えることに大きな意味がある。
だから、お化け屋敷は、無限の可能性があると思っています。


『ブラインドネス』、深い作品で素晴らしいので是非観てみて下さいね。
2008/12/16 3:18 PM posted by: ひらたく
ゾンビさん
僕です。わかりますかー?
しばらくご無沙汰しています。
相変わらず洞察の深いお話に、感動します。

前の「幸」の漢字のお話のときもそうでしたが、
ふだん「当たり前」だと思っていることが
いかに「当たり前」なのか、
振り返ることって
すごく大きな意味をもっているんですね〜。

確かにオバケ屋敷も
中に入ると真っ暗で何も見えないけど、
目を開いていて真っ暗で見えないのと、
目を閉じて見えない状態で真っ暗の中を歩くのとだと、
感じ取るものがまったく違ってくるような気がします。

目閉じたままだと
怪奇学校の生徒さんたちに
ぶつかりまくりますけどね。笑

『ブラインドネス』、観てみます!





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