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伝えるには
2007.05.23 Wednesday 03:54
斉藤ゾンビです。

ずっと前に[バベル]を見てきました。
はっきし言って、とっても深く胸に突き刺さるほどの素晴らしい作品でした。
現代社会の人間の真の姿・心を映し出し、且つ、人間はどうあるべきなのかを痛烈に示してくれている珠玉の作品でした。

[バベル]とは、旧約聖書の[バベルの塔]の物語を指している。
[バベルの塔]の話は、昔世界中は同じ言葉を使って同じように話していたという。
だが、ある時バベルの都市の人々は、天まで届く塔のある町を建て有名になろうと、そして、全地に散らされることのないようにしようと、高い高い塔を建設し始める。
ところがこの傲慢つまり自らを神となさんとする高慢を神は怒り、神は人々の言葉を乱し、世界をバラバラにしてしまったという話である。

「バベルの塔」の物語は、世界中は同じ言葉を使って、同じように話していたという平和な状況の描写から始まっている。
これは同じ思い・共感し合える考え・気持ちを持っていたということを意味する。
しかし、それも傲慢さと高慢さからくる自己中心、自己絶対化=心にバベルの塔という大きな壁を築き上げ、人々の心は乱れ、人と人との心通わず、争い悩む人生と世界を作り上げてしまっている。
[バベルの塔]が指す言葉の乱れとは、心の乱れを指す比喩的表現にすぎないと思います。
そして、[バベルの塔]とは、現代社会の真の姿とも言えると私は凄く思います。
映画作品中にも様々な偏見から互いに蔑み合ったり・見下したり・いがみあったりする場面があり、それは現社会の真実でもあると思う。
それは、言葉の違いからくる他国意識や知的・身体障害に対する偏見であったり、地位・立場の違いであったり、貧富の違いであったり、様々なところで偏見・心に壁を作り、互いに乱れた心は通えない・コミュニケーションが出来ない状況を築き上げていると思う。
そして、そういったことから、現代社会の人々の心には、コミュニケーションの破綻が起こっているとある人は嘆いていました。
その方曰く、
「心はもがくが思いは伝わらない。
体はストレスを抱え込み、わけもなく怯える。
愛とは何か?
家族とは何か?
家庭とは?
生きるとは?
自分自身とは何か?
疑問符は限り無く次々に心に湧いてくるというのに、答えの方は一向に見つからないのである。
それぞれが本当の感情を隠し、表面を偽りで取り紡ぐ。
自己防衛にやっきになり、衝突を避け、摩擦を怖がり、いい加減な物乞いですますのだ。
かけがえのない相手に対し、かけがえのない態度で接してはいないのである。
粗野に乱暴に振る舞う。
理解したい、されたいと望まず、誤解やイメージやムードに甘んじ、消極的に関係を維持させようとする。
現実の人々のほとんどが感情を隠すために言葉を使っているのだ。
そして思いが伝わらないと嘆き、悲しむ。
そうした話し方を生活習慣にする人達が、愛は切ないものだと決め付ける場合が多い。」

確かに、核心をついている考えだと思いました。
人々は、言葉で自分を表現するかたわら、言葉で己の真の姿を隠している。
それは、自分にも思い当たるふしはあるし、誰もがそうだと思う。
言葉の鎧・壁によって人は人を素直に愛することすら出来ないでいるのが今の社会でもあると思う。
しかし、言葉言葉と言っているが人間にとっての真のコミュニケーション・心の通わせ方は言葉ではないと思う。
言葉よりもっと深いところに人間たちは心通わすものを備え持っているものだと思う。
それが、言葉であったり社会であったりいろんなことが障壁となり人々は心の底から心を通わせないでいると思う。
映画[バベル]のイニャリトゥ監督も同じ考えを言ってました。
「言葉がなくても、目を見たり、手を握り合ったりするだけで、より多くを伝えられることがあります。
大切なのは言葉ではないんです。
私たちは言葉の違いや偏見で、自分の中に障壁を作ってしまっているんです。
境界を形成するものは、言語、文化、人種、宗教ではなく、私たちの中にある。」
と言っています。
皆が同じ地球という場所に住み、同じ時代を生き、強いところももろいところも共有している。
全ては一つであり一緒。
自分たちの心が、人々の間に境界を作り上げている。
元々境界なんてないのに。
だが、作り上げてしまったその境界を取り除く術は、たった一つしかない。
それは、キザなことを言っていると思われるかもしれないが、[愛]である。
きっとみんなは、[愛]といったら男女間の[愛]としか連想しない方が多いかと(私的な勝手な思い込みですが)思います。
でも、[愛]とは、「大切に思う、暖かい感情。人をしたう心。」という意味もあります。
人を愛する心が境界・壁を無くす唯一の手段であり、己の心をも解放し清々しく生きる術だと思います。
[思いやる]ただそれだけで良い。
映画中の菊池りんこさん演じる聾唖の孤独な女子高生チエミがそのことを物語っていました。
障害からの偏見や母親の自殺。
チエミは、孤独で孤独で孤独から解放され人の温もり・優しさ・愛を求めていた。
彼女は、心から人との繋がりを求め大胆でもあり素直でもあり正直な行動を取る。
チエミが表現しているのは、心の壁いわばバベルの塔が築き上げた人同士の疎外感であり残酷さ、そして、そのバベルの塔を必死になって崩そうとする姿を私は感じました。
人は、誰もが映画のチエミのように人の温もり・優しさを欲している。
チエミは、人間の心の真の姿を象徴していると私は思います。

話は変わりますが、言葉はどうのこうのと嘆きましたが、でも、言葉は、コミュニケーションの一環として大切なもの。
でも、言葉を並べたからといって全てが伝わるとは限らない。
そのことを出演者の方が語られていた。
「人間って、言語があるために気持ちや考えを伝えたつもりになりやすい。
でも時には言葉というアイテムが邪魔になる。
聞いてるよって言うけど、話す側が魂を込めないと伝わらなかったりするのかもしれない。」
またある人は、
「人間は言葉が違うから心が通じないのではなく、もっと深い部分で分かり合おうとしなければ、言葉が同じでも家族間でもスレ違ってしまうというコミュニケーションの本質がある。」
ただ言葉を並べれば、相手にそのまま全てが伝わるものではない。
中心にある心。
心がこもっていない言葉には、当然相手の心にも届かないのである。
言葉も行動も歌も絵も写真も何でも全て心があって相手の心に通じ合うもの。
[心を込める]、それは、[愛を込める]と同じことである。

映画[バベル]とは、人間の[過ち]を描いていると共に、人間の温かさ・優しさ・思いやり・愛を観る者に気付かせ教えてくれる素晴らしい作品でした。
そして、[バベル]というタイトル。
人間達が互いに壁を作り疎外し合う世界を分かりやすく表現する為の素晴らしいたとえであると思いました。

ちなみに、他の方々のブログや感想を読んだり・聞いたりしてみると[つまらない]・[意味がわからない]などの批評が多かった。
ものの好き嫌いはあると思うし、ここまで深く理解するのは、難しいと思います。
でも、もうちょっと分かろうと・理解しようとする気持ちを持ってもらえたらなぁと思います。
「分からないからいいや」ですぐに諦めるのではなく、本質を読み取ろうと・知ろうとすることは何事にも大切なことだと思います。
深いテーマを取り上げている[バベル]のような映画は、作り手達が人々(観客)にメッセージを伝える為に映画という媒体を利用して想いを伝えている。
[バベル]のイニャリトゥ監督は言ってます。
「言葉の壁を乗り越えるのに力強い映像と音楽ほど完璧な道具はない。
なぜなら普遍的な人間の感情を引き起こすからだ。
映画とは限りなくエスペラント(人工的国際語)にちかいものだ。」

映画とは、世界に境界がない。
みんなが同じ思いを共有できる、世界共通語みたいなもの。
でも、深いテーマを扱えば扱う程中身が濃くなってしまい理解をするのも難しくなってくるものだと思います。
「思いが伝わんなかったんだから、それは作り手の失敗」だと言う人もいるかもしれない。
でも、その深ければ深い程のメッセージを受けた時の衝撃と気持ちは計り知れないものがある。
私は、この[バベル]を見てずっと興奮が覚め止まなかったです。
それ程、この作品は世界が騒ぐ程の深いものが詰まっているのです。
でも、それを理解しようと汲み取らなければ、何も理解も出来ないし得ることも出来ない。
それは、人間関係にも言えることだと思います。
とにかく、何を伝えたいのか深く考えることが大切。
ただ何も考えずに観てるだけでは、何も得られないのは当り前のことである。
友達の悩みの相談も相手の気持ちを理解しようと聞かなくては、何も理解出来ない。
それと同じことじゃないかなぁと思いました。

何事にも理解しようと思う気持ちは大切。

お化け屋敷は、映画と違い実際にお客さんが体験するという大きなコミュニケーションである。
映画以上に人の感情を高ぶらすことも出来るし、直接心と心が触れ合う場所でもあると思います。
その大きな可能性がある場で、お客さんと心と心を通わせ現社社会が失い忘れかけている、命と命の繋がりや[愛]を伝え、そして、心の闇=バベルの塔を打ち崩す程のモノを創っていきたいです。
心と心のぶつかりあい。
バベルからは、コミュニケーションとは?心を伝えるには?のヒントを得た感じがしました。

大事なのは、脅かしではなく、心と心のぶつかりあいですね。


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